「疾病リスク分析」について
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日本国内には複数の腸内細菌叢の検査・分析サービスがありますが、SYMGRAM®ほど多くの疾病リスクを分析できるサービスはなく、他に類をみないサービスです。ここでは、SYMGRAM®に実装されている独自開発の「疾病リスク分析」の手法についてご説明いたします。
腸内細菌叢と疾病との関連性は、これまで世界中で研究されており、がん、神経・精神疾患など多くの疾病に関して報告されていますが、腸内細菌叢が非常に複雑な生態系のため、腸内細菌叢と疾病の関連性の全体像を捉え、疾病リスクを分析する手法は確立されていませんでした。
また、腸内細菌叢の構成は国、民族によって大きく異なるため、日本人に対して海外の先行研究の結果を単純に適用することはできないという課題がありました。
こうしたなか、当社は日本最大級の日本人の腸内細菌叢データベースを構築し、疾病と腸内細菌叢の関連について研究をすすめ、それらの研究成果を踏まえて、腸内細菌叢の構成から高い精度で疾病リスクを推定することができる画期的な手法を開発しました。
(特許第6533930号、特許第7270143号)
当社が開発した腸内細菌叢の組成データから疾病のリスクを推定する方法では、構造方程式モデリング(SEM:Structural Equation Modeling)という手法を用いています(図1)。
疾病との関連が示された腸内細菌について、同様の作用に関係する複数の腸内細菌をひとつのグループ(因子)にまとめ、各因子と疾病の関連性をモデル化し、疾病のリスク計算に用います。
これにより、1つ1つの腸内細菌と疾病の関連性を分析するのではなく、腸内細菌の相互作用も含めた、腸内細菌叢と疾病の関連性の全体像を捉えることが可能となりました。
疾病リスクを実際に分析したときに、健康な人とその疾病にかかっている人がそれぞれどのように分布するかを図2に例示します。
この図の横軸は、上のモデルを用いて疾病リスクを分析したときのリスク推定値を示し、縦軸は相対的な人数を示します。水色が健康な人、赤色がこの疾病にかかっている人の分布を示しています。
図中の①はこの疾病にかかっている人のうち、リスクが中・高と判定された人で、腸内細菌叢が疾病の原因となっている可能性がある人の分布を示しています。
②はこの疾病にかかっていない健康な人のうち、リスクが中・高と判定された人で、腸内細菌叢が原因でこの疾病にかかる可能性がある人の分布を示しています。
一方、③は健康な人のうちリスクが低と判定された人で、腸内細菌叢が原因でこの疾病にかかる可能性が低い人の分布を示しています。
そして、④はこの疾病にかかっている人のうち、リスクが低と判定された人で、疾病の原因が腸内細菌叢以外にあると考えられる人の分布を示しています。
SYMGRAMでは、以上のように実データにもとづき男女別・疾病別に構築・設定された分析モデルや疾病リスクの区分を用いることによって、高い精度で被検者様の疾病リスクを分析することを可能にしています。
また、SYMGRAMでは、予測精度が高い(AUC≧0.7)モデルが構築できた疾病をリスク分析の対象としています。
疾病にはさまざまな原因がありますが、この疾病リスク分析によって、その原因のひとつに腸内細菌叢が関わっているかどうかを知ることができます。
このため、リスクが中・高と判定された①や②に該当する患者様には、現在かかっている疾病や将来かかる可能性のある疾病について、食により腸内細菌叢の改善を図ることによって症状の改善や予防に取り組むように指導することが可能となります。
詳しくはダウンロード資料にてご説明しております。
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