腸内細菌の多くは、ヒトには消化できない多糖類(食物繊維など)を代謝し、酢酸、酪酸、プロピオン酸などの短鎖脂肪酸や乳酸、ビタミン類、炭酸ガス、水素、メタンなどを産生します。
腸内細菌が産生する短鎖脂肪酸や乳酸は、私たちの健康維持に大きく役立っていることが明らかになっており、例えば、腸内環境を酸性化することで腸管バリアを強化し、病原菌による感染を予防します。
また、短鎖脂肪酸は大腸の上皮細胞の主要なエネルギー源として利用され、残りは肝臓における脂肪やグルコース(ブドウ糖)の合成、さらには血流にのって末梢組織のエネルギー源として利用されます。さらに、蠕動(ぜんどう)運動の活発化や、腸管上皮細胞への血流量の増加と細胞の増殖促進、腸管粘膜成分の分泌促進、腸管免疫の強化などのさまざまな生理作用があります。